都市の廃墟/アリスの箱庭/アリスの箱舟

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新作【されこうべアリス】は、前作【匣の中】の続篇(対)とも云えるCD。
所謂《アリス》モチーフもの…mimeiの場合は『浅草(地名)の国のアリス』に。
収録曲は前作よりも和洋の“洋”が強めです。終盤に関東大震災が起こる曲も…。

「【匣の中】=死(黄泉)」→「【されこうべアリス】=再生(街・都市)」
のような“開放感”は、前作と比較して楽曲に表れているのではないかと思います。
そして街(娑婆・汗)には危険な誘惑もイッパイなのです…。

どちらにも「都市(浅草)」が出てきますが、「主人公」との距離が違います。
前作には「都落ちして地方を彷徨う」的な要素がありますが、
新作は「都市にいる」「都市にいて故郷(地方・異国)を想う」といった様相です。
(ここで云う「地方・異国」は「黄泉」とも云い換えられます)。

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曲名の「フィサリス」は鬼灯の学名より。ジャケ絵の少女の名前でもあります。
ギリシャ語の「physa(泡)」が語源なのだそうで、
泡と云えば人魚と来るのがmimeiで御座います…「赤い鬼灯と人魚」でも違和感ないですね。
鬼灯は「Chinese lantern」とも云い、そちらとルイス・キャロルの少女写真の影響で、
ジャケ絵がシノワズリ+鬼灯光源になりました。
鬼灯光源は前作インレイ絵の赤い蝋燭と対にもなっています。

中華服姿の英吉利人少女姉妹。
椅子に正座した、十歳頃のアリス・リデル――《アリス》のモデルとなった少女。
唐傘を差し、妹の座る椅子にもたれ立っている姉のロリーナ。
この印象深い写真をジャケ絵のモチーフにするに当たって、
大まかな要素以外はなるべく似ないよう心掛けました。
(人数は元々ひとりで考えていました…あ、されこうべが居るからふたりですね・笑)。
けだるい横座りの袖口や裾から覗く細い手首・足首、そして煙管は私の趣味です。

色に関しては全体のイメージ・コンセプトに合うものにしています。
キャッチコピーのひとつ、ふたつの童謡のフレーズを合体させた
「い目をしたお人形は、赤い靴はいてた女の子」の通り、
目の色は青系、靴は赤系の西洋靴に。

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インレイ絵は『私の兎はよい兎』をイメージしたイラストになります。
兎を抱いたありす嬢(仮名)は、文化人形テイストでお願いしました。
ジャケ絵の唐傘とインレイ絵のボンネットは対になっています。
赤い矢絣の着物に被り式のエプロン。モダンなステンドグラス。
櫻をあしらった美味しそうな飾り枠は、別名“乙女ファインダー”(笑)。
兎のモデルはうちの“らて子”…超ラブリーに描いて頂いて勿体無い限りです。

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前作の告知Flashで鬼灯が光っていたのは伏線だったり…。
他にも、同CD収録の『廃レ指』が「さ〜れこうべ〜」だったり、
『みちゆき』の二番がアリス要素のある歌詞のつもりだったりと、気付く人のいない伏線が(汗)。

ルイス・キャロルが『不思議の国のアリス』の原型となる物語を十歳のアリスに語った、
後に「金いろの午後」と呼ぶ、昼下がりのテムズ河でのボート遊び。至福の時間。
この「金いろの午後」が、歌詞「僕らはただら流されて 金の午后にも戻れない」の、
「金の午后」の元の言葉になります。
「ただら」は自作の造語で、「ただただ」という言葉が流されていくようなイメージ。
金いろのあの頃には戻れない。

「嘘とまことの狭間から 誰かが鏡を覗かせる」(『みちゆき』)

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イラストの楢咲コウジ様には二作連続でお付き合い頂きました。
長きに渡り素晴らしいイラストと暖かいお言葉をありがとうございます〜。
少女の可憐さ美しさ、衣装や小道具の見ているだけでふれているかのような質感等、
相変わらない息を飲む凄さです。
ジャケ絵の背景を見た際に、夜の神社の異界への入り口めいた鳥居の、
その呑み込まれそうな闇の怖さを思い出しました…トラウマになりそうな素晴らしさ!

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【されこうべアリス】曲コメント

@されこうべアリス
呪術的な“夜の魔都”。疾走感のある曲です。
歌詞には「謀り謀りと咲いている」のような(「謀り」は「はかり」と読み、「はらり」にも掛けている)、
イメージ重視の偽擬態語を使っています。

A私の兎はよい兎
歌詞に当時の浅草の情景を織り込んでみました。曲名は童謡の歌詞のモジリ。
サビの視点が順番に、ありす嬢(仮名)・ありす嬢(仮名)を撮る男性・神(?)・ありす嬢(仮名)の兎、と変わる曲。
男性は「兎を撮ってあげる」という名目でありす嬢(仮名)に近付き…。
兎は「アノ男は駄目ヨ〜」と女の先輩的アドバイスをするのですが、哀しいかな人の子には届きません。
可愛らしい曲調のフリして、サビ後半(「だれにも〜」の辺り)に不穏さが潜んでいます。

B少女かくう
ヘンな曲です。転調転調また転調。オツムの中身もまた転調♪

C花一匁
レトロモダン怪談(?)。
サイレンのように唸ったり甲高く笑ったり…自分の声がホラーです。

Dフィサリス
フィサリス嬢の薄幸さを感じる曲…。リリカルセンチメンタル。
【異国 totsu-kuni】収録『籠唄 komoriuta』の姉妹曲になります。
「曲がジャケ絵の少女のイメージ曲」&「西洋の少女が東洋の服を着ている」繋がりでもあります。

D人形たちの物語
幕は引かれ、人形たちは眠る。

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【されこうべアリス】特設ページ
mimei